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キャリア開発

仕事を指す言葉にはキャリアとワークがあります。その区分けはさまざまですが、ここでは短期的な視点に立つ日々の仕事をワークと呼び、長期の視野に立ち仕事を含む人生全般を包含した考え方をキャリアと呼びます。従ってキャリア開発は、組織が個人に対して一方的に要求する人材育成施策とは一線を画し、自らの自己実現願望と組織の行方を踏まえたものであるのが理想的です。しかし環境変化の激しい時代のなかで、個人のキャリアに関する意思決定がかえって足かせになるケースも出てきており、現在は、ある程度の方向性を決めつつも、環境変化に多少は流されてみるというやり方が実際的な知恵として提唱され、多くの賛同を得ています。

キャリア開発の具体的な手法には、個人の仕事人生に関する意思決定を筆頭に、組織において受け入れられる自己主張の方法やモチベーション管理等のトレーニングなどがあります。個々の事情や日々の課題の解決を目指すキャリアカウンセリングも欠かせない要素です。これらにより、人が活きる組織の実現と組織が活きる人材の確保を両立させようというのがキャリア開発の目的といえます。

これらの前提条件として、組織の理念やビジョンを明確にする必要があります。つまり組織がどこに向かっているのかが認識できなければ、個人の側もそこに貢献しうる方向性を明らかにできず、組織と個人の共生と幸せなキャリア人生を送る土台づくりは目指せません。

個人の自己選択が大切な理由

キャリア開発においては、個人の自己選択を重視します。理由の1つは、それが、よりモチベーションを引き出しやすいからです。また、個人に自己選択を迫ることは、フリーライダー(※20)を排除するうえで有効であると考えられます。組織において仕事の大部分は与えられるものですが、その中に自己の工夫を投入できるか否かは成果とやりがいに直結します。工夫は指示されるものではなく、自己選択のもとで行うものであり、課題設定と自己選択の能力がキャリア開発において不可欠な要素であることは、社会人基礎力(※21)にうたわれている通りです。

キャリア開発の手法

キャリア開発の手法は個々のキャリアビジョンを設定し具体的なアクションプランに落とし込むキャリア開発プログラム(ワークショップ)を中心に、正当な自己主張のスキルであるアサーショントレーニング(※22)、日々のモチベーションを維持・向上させるモチベーション管理、個々の事情や仕事上の課題解決を導くキャリアカウンセリング(※23)などを適宜組み合わせて行います。いずれも個人のキャリア開発と組織の発展は不可分とする経営者の認識が前提となります。