
CSR報告書
CSR報告書(※16)は従来GRI(Global Reporting Initiative)(※17)のガイドラインにのっとり、経済、社会、環境のトリプルボトムラインを踏まえて、企業の社会貢献活動を報告するのが主流でした。これに加え、2010年にはISO26000(※18)が発行され、このフレームワークをGRIのガイドラインと併用する例も出始めています。他方、既成のガイドラインではなく、自社の事業に立脚した独自のフレームワークを用いる企業もあるなど、さまざまなパターンが混在しているのが現状です。
また数年前までは紙面を文字が覆い尽くすかのようなプロ好みの報告書が多く見られていましたが、ここ数年はビジュアルアプローチを重視したハードルの低い報告書が増えています。CSRという言葉やCSR報告書の存在が広く知れ渡り、読者層が一般に広がっていることも、わかりやすさへの傾倒を招いているようです。
そもそもCSR報告書は内部統制の流れから誕生したものであるといわれ、一般の広報活動であれば当然考慮の範疇にある“誰に向けての”報告なのかという視点が欠けていたと考えられます。環境報告書の発展形として企画制作されている例もあり、担当が広報部門ではなく環境関連の部門や経営企画室などであることもその一因であるかもしれません。
さまざまな見方がある CSR報告書ですが、本来企業の社会貢献とは本業を通して行うのが最も自然なかたちと思われます。一年間の社会貢献活動をガイドラインに沿って表記するだけでなく、各カテゴリーにおける目的や数値目標を設定し、成果の分析を通して次年度の活動を決めるなど、経営計画と同様のサイクルを回すのが理想的と思われます。
なおCSR報告書は持続可能性を意味するサステナビィリティ報告書と呼ぶ企業もあります。また環境報告書を包含するケース、環境報告書は別に報告するケースとさまざまですので、企業独自のポリシーを策定して取り掛かるのが良いでしょう。
ガイドラインの種類と内容
基本はGRIの発行するガイドラインです。その他のフレームワークを適用する場合も GRIのガイドラインとの対比表を掲載するなど、CSR報告書に必要な項目を漏れなく掲載している旨、明示するケースが多くなっています。ISO26000や国連のグローバルコンパクト(※19)を併用するケースも今後増加すると思われます。
海外における CSR報告書
GRI、ISO26000ともにグローバルスタンダードであるため、海外において CSR報告書を発行する場合もこれらに準拠していれば基本は問題ないとされます。しかし、隣国の中国は独自のガイドラインを策定し、これに沿った報告書の制作を求めるなど独自の動きがあります。











